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住職の歴史と振り返り

住職の歴史と振り返り

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「住職の歴史と振り返り」

私は祖父から住職を引継ぎましたので、住職になったのはまだ20代でした。間もなく祖父は他界し、全て責任を負うことになります。
いま思えば業界では早すぎる状況でした。
何せ住職になるというのはお坊さんとして一人前になってからなるもので、まだ人間的に未熟な者が拝命する事ではないのです。
 何も知らないというのはある意味無謀で常識を逸脱し、普通では考えられないことが起こります。
 その時恩師から言われたことは、順番に積み上げてから立場を得るのが普通なんだが、あんたは立場が先についてしまった。これがいいか悪いかはわからないが後から力をつけていかなければならなくなったね。と。その時はよくわからなかったのですが、この歳になってあの時に言われた意味をようやく理解できます。
 今までとにかくお寺を守ること、目の前にある事に対しては、一生懸命に取り組んできました。こうするしか私には手段が見つからなかったので、そうしてきました。あの時の恩師はいまの私をどう評価するのだろうかと思うことがあります。評価というものは所詮人がするものです。特別道を踏み外したわけでもなく、今もお寺の住職として変わらない毎日を過ごしています。